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脳内妄想短編集
第1章 ヒモ
ここだけの話ですが、私の部屋にはある仕掛けがほどこしてあります。そう、隠しカメラです。
リビングの、テレビの下辺りに盗撮用のカメラをまわしておきました。彼が私の部屋で私がいない時に何をするか、観たかったからです。数日分の洗濯を頼んだのも、わけがあります。洗濯物の中には私の下着があります。
その下着を見て彼がどんなリアクションをするのか、見てみたくなったのです。
なぜ一介のOLである私がそんなカメラを持っているのか――本当はカメラだけではないのですが――は、追い追い話していくとしましょう。
撮影した映像は、どうせ彼が帰るまで観れません。私は私の下着を手に取った時の彼のリアクションを想像しながら、嬉々として勤務先に、車を走らせました。
彼は夕方、シフト通りに出勤してきました。いつもと変わった様子はありません。彼が私の部屋に泊まっていることは、秘密なのですから。
私は普段通りに仕事をこなす彼に、小声で話しかけました。
「掃除、ちゃんとしてくれた?」
「しましたよー」
「洗濯も?」
「……はい」