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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
ようやく料理が運ばれてきた。あたしはミートドリア、真弓はタラコのスパゲティを食べながら、話は続く。
「どこで教えたらいいんだろ。市民プールとか?」
「あ、そうそういいもんあるの」
真弓はカバンをごそごそと漁り始めた。そこから取り出したものは、ここから二駅ほど行った町にある、温水プールのチケット。しかも二枚分。
「え、ここで?」
「うん、なんか親が貰ってきたんだけど、あたし行けないし。それ期限が今月いっぱいだからさ」
ちなみに今は七月上旬だ。
「でもここ、結構すごいプールだよね。流れるプールとかスライダーとか波の出るプールとか、いろいろ遊べるって聞いた」
「うん、大きいとこだよー! 温水プールだけじゃなく、外もあるし。グアムとかハワイとか、そういうビーチをイメージして作られてるらしくて、一日遊べる」
「……なんでわざわざそんなとこに行って、泳ぎを教えなきゃいけないのさ」
そんなに楽しげなプールなら、彼氏と行って遊んでたいのに。
しかし引き受けると言ってしまった手前、断ることはできい。せっかくただでプールに行けるなら、行かない手はないだろう。