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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
受け取ったチケットを鞄に入れる。
しかし真弓はさらに、衝撃的な告白をしてきた。
「ちなみに祐也の学校、来週プール開きがあるらしいから、今週の土日のどっちかで水恐怖症を克服させてね! 頼んだ!」
「はあ!?」
なんという。それはさすがに急すぎるだろうと、あたしは目を丸くして真弓を見る。
真弓はしれっとした顔で、スパゲティをフォークに巻きつけていた。
今週は、何も予定はないけれど。
「土日ねどっちがいい?」
「まあどっちでもいいけどさぁ」
「どっちがすいてるかな?」
「変わんなくない? てか祐也くんの都合は?」
「いいのよ、真弓の都合に合わせるから。あいつは泳ぎを教わる立場なんだから」
結局、なるべく仕事に響かないようにと、土曜日に行くことに決まった。
あとは二人で決めてくれと、弟さんの連絡先を赤外線で送信され、その日は解散になった。
まったく無茶なことを。あたしは今日何度目かのため息をついた。土曜日まであと二日。どんなふうに水に慣らしていったらいいんだろうと考えながら、あたしは憂鬱な気分で家へと向かった。