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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
「んー、どうしよう」
あたしはクローゼットや洋服ダンスを漁りながら、深々とため息をついた。
水着が、ないのだ。
いやあるにはあるのだけど、一着、だいぶきわどいのしかなかった。
去年買った花柄のビキニで、胸元を隠す部分は少なく、谷間を強調する作りになっている。後ろにまわして背中で紐を縛って留めるタイプのもの。下はミニのスカートがついているからまだマシだと
思うが、中学生の男の子と行くには、少し過激すぎな気がした。
友達の弟というのもあるし、あんまり奇抜な水着で行くのもどうかと思うのだ。そもそも、この水着は彼氏の趣味で、あたしの趣味じゃない。
だけどたった一回のために無難な水着を新調するのももったいないし、時間だってない。
「ま、いっか」
あたしは早々に諦めた。ないものはないんだから仕方がない。ビニールバックと浮き輪を引っ張り出し、ちゃっちゃと土曜日の用意を済ませた。土曜日はやはり混むだろうか。荷物もあるし、電車よりも車の方がいいだろうか。
いろいろと考えて、詳細を祐也くんにメールし、あっという間に約束の日が来た。