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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
「どうかしました?」
「ううん、なんでもない。早く場所取りしよ! ビニールシート持ってきたからさ!」
「あ、俺も一応持ってきました」
二人で見せ合い、笑う。やっぱり笑った顔は可愛い。
あたしたちは入り口のすぐ近くに場所を取った。荷物を置き、辺りを見回す。まだ、人は少ない。ビニールシートが広げられる場所が埋まるほどではなかった。
財布や時計などの貴重品はあらかじめ鍵付きのロッカーに入れてある。その鍵にはバーコードがついていて、例えばビーチの中で飲食物や浮き輪などを買ったり借りたりしてお金がかかった場合、あとで清算になる仕組みらしい。今時のプールはずいぶんハイテクだ。
「どこで練習しようか」
「あっちに案内板、ありましたよ」
彼に促され、そちらに向かう。案内板を二人で眺めた。
競泳用のプールもあるけれど、その横にさらに泳ぎの練習ができそうなプールを見つけた。水深が、八十センチから二メートルまで、徐々に深くなってるプールだ。ここなら少しずつ水に慣れることができる。
「ここで練習しよっ」
「はい」