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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン

 あたしたちは空いているスペースで、軽く準備体操をした。

「あ、パーカー脱がないと」
「ですね」

 あたしはパーカーを脱ぎ、ビニールシートに置きにいった。祐也くんも同じように、着ていたパーカーをビニールシートに置く。
 ふいに顔をあげ、彼の顔が真っ赤になった。

「ん?」

 彼の視線は、あたしの胸元へと注がれている。ほとんど釘付けの状態だった。
 あたしははっとする。やっぱり、ちょっと過激すぎるよなぁこの水着。

「……行こっ」
「は、はいっ」

 あたしは自分の水着から早く彼の意識をそらしたくて、とりあえずプールに入ろうと彼を促した。彼はあたしの一歩後ろを、うつむきぎみについてくる。
 耳たぶまで真っ赤にして視線を上げられない様子は、見ていて新鮮で可愛らしかった。まだ中一なら、女性の体なんて見たことないんだろう。そろそろ興味は持ち始める年頃のはず。今はネットがあるから、エロ動画も観放題だし、知識を得るのはきっと早い。
 祐也くんもそういうの観たりしてるんだろうか。異性の体に興味を持って、妄想したりしてるんだろうか。
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