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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
そこまで考えて、あたしはまたはっとする。いけないいけない、思考回路が変な方向に巡ってる。友達の弟さんに、それもまだ中一の男の子に対して何、邪(よこしま)なことを考えてるんだか。
あたしは両手で自分の頬を叩き、目を覚まして気合いを入れた。
先ほど言っていたプールは、室内にある。入り口からかなり離れた奥の方に設置してあった。その横には、五十メートルの競泳用プール。
そこにはほとんど人がいなかった。流れるプールやスライダー、屋外プールに、やっぱり人は集まるみたい。
「ゆっくり練習できそうね」
「はい」
あたしは早速一番浅い方に行って、軽く水を体にかけた。そこまで冷たくはない。足からそっと、プールに入る。
「わープールだ! この感触懐かしい」
ついテンションが上がってしまう。海は去年行ったけど、プールはもう何年も来てなかったような気がした。
それからはっとして、祐也くんを見た。
「降りれる? 手、貸そうか?」
一番浅い場所は八十センチなので、あたしの腹くらいだ。彼とそこまで身長は変わらないので、きっと彼も同じくらいだろう。