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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
唇を離す。相変わらずキスのあととろけそうな顔をするなぁ、なんて、彼の顔を眺めながら思った。
「ねえ、いっぱいキスしよ?」
「え……は?」
彼の顔が再び真っ赤になる。
「キス、気持ちいいでしょ? 頭空っぽにして。あたしとのキスのことだけ考えて」
端から聞いてれば、まるで彼に熱いモーションをかけてるみたいだな、なんて思えて一人苦笑する。
あたしはまた口づける。もう何度めかもわからなかった。
「目、閉じて?」
わずかに離れたすきに、そう指示する。彼はおとなしくあたしの言葉に従った。目を閉じた時の、睫毛の長さについ見とれてしまう。
また、キスする。
今度はしばらく唇を離さなかった。
キスに不慣れなせいか、彼が時々身じろぎし、不器用に呼吸する。その時の吐息に、あたしは興奮した。
「……一緒に潜ろう? なんにも考えなくていいから、キスに集中して。体の力も抜いて平気だよ。あたしが支えててあげる」
あたしの声にも、自然と甘さが滲む。意識してのものではなかった。
それだけ言って、再び唇を塞ぐ。