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第2章 水中レッスン

　ふいに彼が唇を離した。苦しげに眉根を寄せ、助けを請うようにあたしを見る。

　あたしは彼の頭を抑えつけたままだったから、その手を離してほしいという意味なのだろう。だけどあたしはすぐにはその手を離さなかった。限界まで、彼を水中に留めておきたい、苦しそうなその顔を、じっと見ていたいと思った。こんな狂暴で異常な欲求は、初めてだった。
　秘部はすっかり濡れ、蜜がとろとろと溢れている。あたしは今までにないくらい興奮していた。
　本当に限界なのか、彼の手があたしの体を掴む。水面に顔を出そうと、水を蹴った。あたしは彼の頭を水面へと押し上げた。顔を出すなりわずかに水を吐き、酸素を貪る。

「まだ一分くらいだよ。早い」

　まなじりに涙を溜めて、あたしの言葉に彼が何かを言おうとした。だけど呼吸に必死で、上手く喋れない。
　白い胸元が、せわしなく上下し、あたしの目はついそこに釘付けになる。乳首がぷっくりと立ち上がっていた。

「もう一回いくよ」

　顔を上げた彼は、怯えた眼差しをあたしに向けた。その目にわずかに胸が痛む。