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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
そのまま口づけてくる。あたしの唇を、ペロペロと舐めた。それはまるで、産まれたての赤子が母親の母乳を欲しがるような、そんな仕草に見えた。
だけどあたしは、それには応えず唇を離した。彼が欲しがるものを、すぐには与えてあげない。
彼の顔が、苦しげに歪む。きつく目を閉じ、必死にこらえていた。その表情に、ぞくぞくする。
彼の唇に口づけたけど、彼にはあたしとキスなどしてる余裕はすでになくなっていた。彼の手が、あたしの腕を掴む。自分の肩を壁に押し付ける腕を、どうにか外そうともがいた。
足をばたつかせ、もう一方の手であたしの体を叩く。
彼があたしを見る。助けてと、哀願してくる様な瞳がたまらなかった。
そろそろ限界だと思い、彼の肩を掴んでいた手を離した。水をかき、夢中で水面へと上がろうとする彼の腕を引き手伝う。顔を出すなり、激しく何度も咳き込んだ。あたしの肩にすがり、咳き込みながらも、息を吸い込もうと必死だった。酸欠で、彼の顔は真っ赤だ。
その時偶然、水着越しに彼のそれが、あたしの太ももに触れた。