この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
脳内妄想短編集
第1章 ヒモ
かなり動揺しているようでした。私はいつもと調子を変えていません。だからこそ、余計に戸惑っているようでした。
「いや、いいっすよ。俺、友梨香さんのあとで入るし」
「女の裸くらい見たことあるでしょう、これくらいで何照れてんの」
頑なに拒否の意を示す彼に、私はだんだん面倒になってきました。やや強引に 誘い込もうと強めに言いました。
しぶしぶではありますが、ようやく彼は上に着ていたパーカーとティーシャツを脱いでくれました。
「じゃあ、前も洗って」
「はあっ? もうマジ勘弁してくださいよ」
「私のヒモでしょう? ほら、早くしないと私が風邪引いちゃう」
「……馬鹿は風邪引かないっていうし、大丈夫でしょ?」
渋って逃げようとする彼に、私は説教を始めました。軽はずみにヒモになるなんて言ったこと、ヒモになったくせに、こんなこともできないくらい根性がないのかと。また、女性の裸くらいで何を動揺しているのかと、延々と説いてあげました。ムードのカケラもありゃしませんが、正直普段の私のキャラなんてこんなものです。