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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
「……大丈夫です」
先ほどまでの行為を思い出したのか、彼は気恥ずかしそうにあたしから視線をそらした。
「水から上がろう? もう一人でも潜れるでしょ? 水、克服できた?」
「はい」
彼が頷く。
あたしたちはプールから上がった。時計を見るとまだここへ来てから一時間ほどしか経ってないのに、何度も潜ったせいか、一日泳いだ時みたいに体がだるい。彼はもっと疲れてるはず。
あたしたちは、ビニールシートに戻った。
「横になって休んでていいよ。飲み物買ってくる。何がいい?」
「……お茶」
「待ってて」
彼の頭を撫でて、立ち上がる。無意識の行動だった。
ペットボトルのお茶を二本買って戻ると、彼はビニールシートの上で横になり、目元にタオルをかけて休んでいた。それほど広いシートではないから、荷物を端にどけても、膝を曲げてギリギリおさまっている感じだ。それでも彼の隣には、あたしが余裕で座れるくらいのスペースは、ちゃんと確保しておいてくれた。
あたしは彼の首の辺りに、ペットボトルを軽く押し付けた。
「冷た……」