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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
その言い方があまりに子供っぽくて可愛いから、今度こそ我慢できず、あたしは吹き出してしまった。しばらく笑いがおさまらず、エロティックになりかけていた雰囲気は、完全に吹き飛んでしまう。
もちろんここは水中でもなく、ビニールシートの周りに人はほとんどいないとはいえ、出入り口の近くだから往来はある場所。
こんな場所で、何を始めようなんてバカなことは思ってないけれど。
ひとしきり笑い終えると、彼はあたしを見上げ、すねたような顔で睨んできた。水中に潜っていたのとさっき泣かせてしまったせいか、彼の目は充血して赤い。親に叱られて怒っている子供を連想してしまって、さらに笑いそうになる。
欲情してしまったあたしが言うのも変だけど、どんなに大人びていても、やっぱり彼はあたしには、子供だった。
「もう、いいです」
「何が?」
「なんでもない。変態、痴女」
「……そこは反論できないわー」
あたしは体を軽くタオルで拭いて、パーカーを羽織った。水着がきわどかったの、すっかり忘れてた。
ふいに背を向けていた彼が振り向き、言う。