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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
「約束ですよ。彼氏いても」
「はいはい。独り身でも、彼氏いても、新妻してても最後までしてあげるよ」
あたしは笑った。
こんな約束をしても、あと五年後、彼があたしを求めてくることなんてないだろうと思った。
彼に大事な人ができて、その人といろいろ経験していけば、こんな十個も離れたオバサンとのあれこれなんですぐに忘れてしまう。今はただ、『初めて』に対するいろんな興味と好奇心で言っているだけだ。
「お腹すかない? 何か食べよっか」
「はい」
あたしたちは貴重品だけ持ち、ビニールシートを離れて軽い食事を買いに行った。
一休みし、午後はまた、彼の水克服のためのレッスンだ。もちろん今度は普通のレッスン。一度潜れてしまえば、あとは簡単だった。すぐにまた、泳げるようになった。
そのため、後半はスライダーや流れるプールみたいなところで、普通に遊んだ。
閉館ギリギリまでそこで過ごし、夕飯を近くのファミレスで済ませ、真弓の家に送り届けたのは八時すぎ。二人とも、くたくたになっていた。
「おかえり。ずいぶん遅くまでいたんだね。今日はありがとね璃子、お疲れ様」