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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
彼を送り届けるなり、部屋着姿の真弓が出迎えてくれた。聞けば仕事を終え、帰宅したばかりだという。
「真弓もお疲れ。結構楽しかったよ。――ね?」
「はい」
裕也くんも笑った。
「裕也、あんた少しは水に慣れた?」
「うん、多分」
彼が頷く。
「慣れたどころか、もう普通に泳げてたよね?」
「……マジで?」
真弓が驚いたような顔で、あたしと彼を交互に見る。
「璃子さんのおかげです」
「今日は疲れただろうし、ゆっくり休んでね」
「はーい」
「璃子、あんたもね。今日は本当にありがとう」
「ありがとうございました」
「いいえー。――じゃあ、また」
二人に見送られ、あたしは車に乗り込んだ。心地よい疲労感と共に、すっかり暗くなった、夜道を走る。
そうして長かった一日は、幕を閉じた。