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第1章 プロローグ

権蔵の鞭責めがついに始まる・・・。
やよいは緊張から額や背中に冷たい汗が浮かんでいた。拘束された体は逃げ場を失い、抗う術もないまま、彼女はその場に留め置かれていた。
口に咥えた葉巻がさらに彼女の緊張感を煽り、乳首に挟まれたクリップの痛みが絶え間なく意識を引き裂く。痛みに耐えながらも、思うように息が吸えず、鼻呼吸だけで必死に平静を保とうとしていた。
「覚悟はいいな？」
権蔵は応接椅子に置かれていた乗馬鞭を手に取り、リストループに慣れた手つきで手を通した。
グリップを握り込むと、まるで道具が彼の手に吸い付くような感触が伝わり、権蔵の口元に満足げな笑みが浮かぶ。リストループの長さと巻き加減、グリップの握り心地、シャフトのしなり具合、フラップの平滑さと歪みの有無を確認し、その結果に満足する。
「やはり、これだな・・・」
静かに呟くと、手首を軽くひねり、鞭を振ってみた。シャフトのしなり具合と先端のフラップが奏でる風切音が、部屋に重たい緊張感を与える。その音は彼にとっての調律であり、最適なバランスを見極める一連の儀式だった。
シャフトの材質やフラップの形状は、与える痛みの鋭さや広がりを左右する。彼はその特性を熟知し、手にした鞭をまるで相棒のように扱っていた。
「これなら、お前の肌にちょうどいい響きを奏でてくれるだろうな」
彼の低く静かな声が、やよいの耳に届く。

やよいはその一言に背筋を震わせた。鞭の存在が、部屋の空気を一層重くしているように感じられる。彼女の呼吸は浅くなり、緊張でさらに筋肉がこわばる。みじめな姿で、ただ彼の動きを待つしかないという現実が、彼女の心をじわじわと締め付けていた。

権蔵はやよいに視線を落とし、先端のフラップをそっと顔に押し当てた。その冷たい感触がやよいの肌に触れ、彼女の内心には恐怖と期待が交錯する。
フラップがゆっくりとやよいの頬から顎のライン、そして首筋へと滑らされ、やがて胸元の正中線へたどり着き、彼女の胸の谷間で止まった・・・。やよいの心拍は一層早まった。
「ほら、震えているな・・・いいぞ、そのままでいろ」
権蔵の声は低く抑えられ、なおかつ鋭い。彼は右乳房に挟まれたクリップにフラップを当てて軽く弾いた。
その瞬間、身体が小さく震え、彼女の唇から思わず浅い息が漏れる。それは痛みと緊張の中で生まれた、抑えきれない反応だった・・・。