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愛欲ハーレム・妄想の処女〜琴葉【官能作家・霧山純生の情事】
第20章 妄想の乙女〜処女のたくらみ
「残酷なストーリーでもどこかに必ず愛がある。だからわたしは、霧山先生が……いつか先生に会いたいと……そしてわたしはいつか……霧山先生のことが……」
「愛がなければ虚しいだけだ。愛があれば救われる」

 ゼリーは苦味と旨みが混じった大人の味がした。旬を感じさせる味だ。

 どんな魂胆があるのか知らないが、この店を選んだ尾崎オーナーはさすがだ。人気のあるレストランの経営者というだけのことはある。決して高級な店ではないのにうまい。

「僕はね。SMとセックスは不可分であると思っている」
「えっ。せ、」
「セックスだ」
「……ぅ」

 若い娘の頬が見る見るうちに真っ赤になった。聞いてもいないのに自分から処女だと告白しておきながら恥ずかしがっている。おかしな女だ。

 その風情を見ていたら、悪戯心が湧いてきた。

 よし。
 少しからかってやるか。

「きみは作家になりたいのかな」
「あ、はい。そうです」
「私の著作に傾倒してくれたということは、恋愛もの、それも官能小説を書きたいのだと理解してよいのかな」
「はい」

 明瞭な返事だ。しかし。

「一つ問題がある」
「なんでしょう」
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