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愛欲ハーレム・妄想の処女〜琴葉【官能作家・霧山純生の情事】
第22章 妄想の乙女〜処女の矛盾
 かつて、処女だった美月を騙して拉致し、湖畔に建つ豪奢なホテルのベッドの上で美月の処女を散らした自分を棚に上げ、憤然となる。と同時に、この、つぶらな瞳と豊かな胸を備えた娘への同情が込み上げてくる。

 かわいそうに。

「本当は尾崎さんに会いたくなかった。でも来ないと恥ずかしい写真をばら撒くって言われたんです」
「そうだったのか」
「でも霧山先生には会いたかった」
「それは……ありがとう」

 どこかおかしい。
 聞いているといくつもの違和感があった。
 たとえば……尾崎オーナーに連れ込まれたラブホの部屋で裸にされて縄で縛られた、まではわからなくはない。一緒にラブホに入った時点で同意なのは横に置いてだが、裸にされて縄で縛り上げられたあとに、写真を撮られただけで済んだのはおかしい。

 先ほどこの娘は"犯されそうになった"と言った。さらに処女だとも言った。しかし尾崎オーナーが琴葉の言う通りの男ならば迷わずに犯すはずだ。私が彼ならそうしている。

「さっき先生は証明しなさいとおっしゃいましたよね」
「ん? あ、ああ、そうだよ」

 琴葉という女の矛盾を頭の中で検討していた私は、我に返った。
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