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愛欲ハーレム・妄想の処女〜琴葉【官能作家・霧山純生の情事】
第5章 温泉旅館で姫初め〜姫初め
 この旅館の探検に行くと言っていた美月が、すでに座敷で寛いでいた。見ていたスマホを置き、はにかんだような笑みを向けてきた。その顔を見ながら、やはりと確信する。

 大浴場で麗奈を可愛がっていたら、視線を感じたのだ。誰かに見られていると。振り返ってみたものの、湯気のせいで見通せない。無論、それは私の気のせいかもしれない。この旅館の主人がこっそり覗いていたのかもしれない。しかし今、美月の態度を見て確信した。覗いていたのは美月だ。何度も数えきれないほどに肌を合わせてきた女だから、わかる。

 まったく……美月も麗奈も、かわいい女どもめ。

 私をシェアするとか言っておきながら、この女たちは、気心を許した親友同士であり、かつ、ライバル同士でもある。

 だが、と、そこで複雑な思いが込み上げてくる。

 美月は、地元では有名な老舗高級料亭のひとり娘。彼女の仁科家は、かの武田信玄以前から在った豪族が祖だ。麗奈の氷見家も仁科家に匹敵する由緒ある家柄であり、現在の氷見家の広大な敷地と豪奢な邸宅を見れば、今もなお、その栄華が続いていると知れる。
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