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第3章 依頼

藤堂は、ドライブにギヤーを入れ車はゆっくり　動き始めた

「　止めてください、少しバック！　」
桃花は受信機から送って来る音に耳を傾け　藤堂に声を掛けた

「　此処までです　」
藤堂は止まった場所を確かめる様、辺りを見回し
車を反転させ　また徐行を始めた

「　此処までですね　」
桃花が手を上げ　車を止めて藤堂は近藤の家を見て
呟いた

「　毎日は　難しいな　」
暗い住宅街　歩く人も無い道を僅かな街灯が照らす
道路に目を送り藤堂は呟いた

「　あの家！　」
桃花が近藤の家の向かいに有る家に指を指し
藤堂を見て来た

「　留守？　空き家みたいだな　」
藤堂も雑草に覆われた庭を見て頷いた