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隷落の檻・淫獣の島 ~姦獄に堕ちた被虐の未亡人~
第4章 早苗の過去
母を抱えて、シュウとシュンが浜に上がってきて砂浜に倒れた。

「マ、マジで、死のうとするんじゃねぇよ!」

シュウが砂浜に倒れこみながら、息を切らせていた。横でシュンも、

「オバサン、頼むぜ。娘を残して死んだらダメだ」

絶え絶えの息で話していた。

「離岸流に流されたんだ」

セイジが説明したが、

「その前に、海に入り過ぎだって」

シュンが荒い息で、セイジに反論した。たしかに、そう。上から見ているとよくわかった。ハッキリ言って母が突っ走った感じがあった。想定外に、海に入っていくから、皆、慌てて追いかけた感じ。

「自暴自棄になったら人生、終わっちまう。旦那に捨てられようが、AVに出ることになろうが、やり直しはできる」

シュウが母の身体を揺さぶりながら、話していた。母は黙って、空を見上げて、さめざめと泣いていた。

「お母さん、泣いている場合じゃない。皆に助けてもらって、助かったのに。それとも、わたしを置いて死ぬつもりだったの!」

わたしが、母に向かって叫んだ。

「皆、死ぬかもしれなかったんだよ。お母さんのために、皆、死ぬところだったのよ!」

言い募るわたしを、シュウが、

「もういい。別に死んで誰かが悲しむ命じゃない。清々したと言われるのが関の山の命なんだよ」

と、話すと、

「言えてる」

シュンが笑い、

「だろうな。やっと厄介払いができたって、オヤジもオカンも泣いて喜ぶよ」

ショウジが笑った。

「たぶん、今頃、惜しい!って思っているよ」

シンヤも笑った。

「歳は違っても、俺たちは似た者同士さ。社会のはみ出し者。年少に行った時点で人生、決まったようなものだよな」

シュウが話した。ネンショウ?わたしの怪訝な表情を見て、セイジが、

「少年院のことだよ。俺達、そこか、務所で一緒だった仲間さ」

と、言って笑った。

「ようは、不良品さ」

シュウが一言で表した。

「不良だったの?」

わたしが訊くと、

「だった?過去形じゃないな。今も不良だろ」

シュウが笑った。

「そう、いい年こいて」

ショウジも笑った。

「人生、リセットしたいけど、できないんだよ。お前の母さんと違って、俺達、死ぬ根性もないんだよ」

シュウが苦く笑うと、皆、頷いていた。
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