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隷落の檻・淫獣の島 ~姦獄に堕ちた被虐の未亡人~
第4章 早苗の過去
わたしと母が上がって、服を着て、用意をした。

わたしが外に呼びに出ると、シュウたち五人は、バンのなかで、何か、真剣に話し込んでいた。

わたしにセイジが気が付いて、窓を開けて、

「終わったか?」

と、訊いた。わたしが頷くと、

「そうか。わかった」

と、言う声と同時に、バンのスライドドアが開いて、ショウジ、シンヤ、シュンが下りてきて、助手席からシュウ、運転席からセイジが下りてきた。

母は板の間で座って、皆が入ってくるのを待っていた。

入ってきた、五人が並んで座った。なんとなく、神妙な感じがした。シュウが口を開いた。

「五人で話し合っていたんだが、旦那と離婚しなよ。海外逃亡中だったら容易にできる。財産分与とか養育費とかは無理だが、どうせ、そんなものくれる男じゃないだろ。離婚したら、俺たちも、『アダルトビデオに出ろ』とか、なんとかって言わなくても済む。雇い主にも、『離婚した』と報告できる」

多分、アウトローだけに、法律に関しては、わたしたちなんかより詳しいのかもしれない。その知恵を生かして考えてくれた感じだった。

「それで雇い主さんは、了解してくれるかしら?あなたたちが責められることはないの?」

母は冷静に答えていた。わたしも、それは心配だった。雇い主は、反社ということは、危険な組織。半グレより怖いイメージがあった。多分、母はそれが言いたかったのだと思う。

「前の事務所は知っているが、ここは知らないからな。まさか、房総半島の断崖絶壁の海女小屋にいるとは、お釈迦様でも気がつくめぇ」

お道化るシュウ。笑うショウジ。真面目な顔を崩さないセイジ。シンヤ、シュンは軽く笑った。

「反社って言っても、どんな組織なんですか?」

わたしが訊いた。

「表の顔は建設会社。住宅からビル、公共事業も請け負っている。だから、金融機関も融資してきた。でも、実際は、経営陣の裏の顔は、地上げ屋だ。受注するために、他所がしない地上げから請け負うのさ。取引先は、大手の不動産会社。旧財閥系なんかも多い。金融機関も旧財閥系が多いから、持ちつ持たれつさ」

シュウが笑った。

「で、俺がムショにいたころ、同部屋だったオッサンが、そこの幹部だった。そのつながりで、仕事が舞い込むのさ。今回みたいに」

シュウが続けた。
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