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隷落の檻・淫獣の島 ~姦獄に堕ちた被虐の未亡人~
第4章 早苗の過去
「結婚してからの歳月と、セックスレスの歳月を差し引きして、娘さんの妊娠期間も引くと、ほとんど、歳月が残らないのではないですか?」

シュウが、母の顔を見た。

「結婚前の交際期間と、娘を妊娠するまでは、普通に・・・」

母が話し出した。

「週に何回くらい?」

シュウが間髪入れず、訊く。

「付き合い始めたころは、週末に会うだけで、週に一度くらいでした。結婚するころには、週も同じく一度くらい。結婚後も、そんな感じでした。あと、妊娠が分かってから、今まではないです」

母がよどみなく答えた。

「なるほど。交際期間は、どれくらいだったのですか?」

シュウは妙に、この辺りのことにこだわっていたように感じた。

「6か月です」

母は端的に答えた。ということは、6か月≒24週とすると、24回。結婚してからわたしを妊娠するまでは、結婚記念日とわたしの誕生日から差し引きして、10か月をさらに引くと、2か月くらい。2か月≒8週とすると、8回。

となると、合計32回。交際から結婚して今までで、それだけ・・・それは少ないと、わたしは思った。

「もともと、旦那さんは、淡白なのかもしれないですね」

話すシュウ。たぶん、わたしと同じ計算をしたかもしれないと思った。それを聞いて、首を傾げる母。

「違うっていう感じですね」

母の様子を忖度するシュウ。

「でもないと思います。妊娠している間に、性風俗のお店通いが始まって、多分、今も続いていると思いますから」

母が父の秘密を暴露した感じだった。わたしは薄々感じていた。不倫もしているだろうし、そういうところにも出入りしているだろうことも、薄々感じていた。

「そ、そうなのですね。金融マンって堅いイメージでしたが、いやぁ驚きです。それに、奥様が妊娠中で大変な時に、性風俗で遊ぶ感覚も理解できないですね」

大仰に驚くシュウ。そして、憤るシュウ。母は、その言葉が嬉しかったのか、目頭を押さえて、涙を抑えていた。

「こんな綺麗な奥様がいて、セックスレスで、金を払って他所でエッチする感覚がわからないですね」

シュウはそんな母を見て、

「いろいろあって、ここにおられるわけですが、旦那さんことは忘れたほうが、いいですよ」

と、顔を上げた母をジッと見つめるシュウ。母が頷いた。
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