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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第5章 第4話 尊敬できる先輩
「まあ、僕はそもそも彼女欲しいと思ってないからね。他の所で十分満足してるから」
「ええー、となるとアニメとか漫画ですか? 私も割とオタクなんですけど、嶋田先生ってサブカル好きそう!」

 高校生の頃は漫研に入っていたという西川さんはオタク仲間を見つけたと思ってか嶋田先輩にある意味失礼な質問をぶつけて、


「いや……お店に行くんだ。ここから京都駅を経由して滋賀県に行けばいくらでもあるからね。比叡山坂本駅って言えばその筋では有名だよ」

 返ってきた次なる答えに、私の表情から笑顔は消えた。

 JRの比叡山坂本駅が滋賀県の有名な風俗街である雄琴温泉の最寄り駅であるということは、私の母校である湖南医科大学の出身者なら誰でも噂で聞いていた。


「なっ、先輩風俗行くんですか!? つまりは童貞ではないと!?」
「しーっ、あんまり大きな声で言うもんじゃないよ。僕も酔ってるから言っちゃうけど、この前相手してくれた子は最高だったね。顔もスタイルも抜群で、何でこの子女優さんにならないんだろうって思っちゃったぐらい」
「あらーっ、私先輩の意外な一面を見ちゃったかも! あの、ああいうお店って1回いくらぐらいするんですか!?」
「ピンキリだけど僕がよく行く所は3万円だね。追加コースはプラス5千円です。追加の意味は各自調べてください」

 完全に酔っ払っている桜木君とこういう話題に耐性があるらしい西川さんは笑いながら質問を重ねていたけど、私はもはや先輩の顔をまともに見られなかったし解川さんは完全に軽蔑の目を先輩に向けていて、物部君だけが一人どちらにも同調できず気まずい表情を浮かべていた。


 嶋田先輩はお医者さんとしては優秀だけど、個人としては絶対に仲良くしたくない相手だという私の印象はこの時点で固まっていた。
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