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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第7章 第6話 仕事のやりがい

「まあ親父はいつか絶対広島に帰ってこいって言ってるし、僕もいずれはそうすると思うよ。それまでに日比谷先生みたいな仲の良い後輩をもっと作れたらなって思ってる」
「私は仲良しのつもりないですけど?」
「はははっ、先生はいつも手厳しいね。ところでさっきの話だけどさあ……」
先輩は先ほどお茶のサーバーでコップに注いだ麦茶をすすると、先ほどの賢人の話について何かを言おうとした。
「しばらくは彼氏さんから目を離さない方がいいよ。僕の経験上だけど、研修医が仕事にやりがいを探してる時って不安定な時だから」
「えっ……?」
「普通の研修医は目の前の仕事をこなすのが精一杯だし、仕事が本当に楽しかったらやりがいのことなんて考えない。彼氏さんがやけに仕事にやりがいを見出そうとしてるのは不安の裏返しかも知れないよ。あ、もちろんこんなのは人によるから話半分で聞いといて」
「はあ……ともかく気をつけてみます。今日はありがとうございました」
先輩はそこまで話すと先に席を立って、私は先輩のいつもの|戯言《ざれごと》だろうと思いつつも少しだけ不安な気分になった。
私の予感はいつも当たって欲しくない時に当たるというジンクスがあったから。
「私は仲良しのつもりないですけど?」
「はははっ、先生はいつも手厳しいね。ところでさっきの話だけどさあ……」
先輩は先ほどお茶のサーバーでコップに注いだ麦茶をすすると、先ほどの賢人の話について何かを言おうとした。
「しばらくは彼氏さんから目を離さない方がいいよ。僕の経験上だけど、研修医が仕事にやりがいを探してる時って不安定な時だから」
「えっ……?」
「普通の研修医は目の前の仕事をこなすのが精一杯だし、仕事が本当に楽しかったらやりがいのことなんて考えない。彼氏さんがやけに仕事にやりがいを見出そうとしてるのは不安の裏返しかも知れないよ。あ、もちろんこんなのは人によるから話半分で聞いといて」
「はあ……ともかく気をつけてみます。今日はありがとうございました」
先輩はそこまで話すと先に席を立って、私は先輩のいつもの|戯言《ざれごと》だろうと思いつつも少しだけ不安な気分になった。
私の予感はいつも当たって欲しくない時に当たるというジンクスがあったから。

