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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第8章 第7話 平穏な日々の終わり
「もう無理だ、僕もう無理なんだ。研修医なんてもう続けられないよ……」
「ちょっと落ち着いて賢人。一体何があったの?」

 電子カルテが3台並んでいるこの部屋には今私しかいないけど、そのうち誰か他の研修医が入ってくるだろうと考えて私はあえて落ち着いた口調のまま研修医センターの外に出た。

 同じ階の外れにある研修医当直室のフロアに入り、混乱した頭のままで賢人との会話を再開する。


「うう、ううっ……こんな時間にかけて本当にごめんね……でも僕どうしても辛くて……」
「いいから、私は全然大丈夫だから。……この後、家に行っていい?」
「えっ? でもみっちゃん明日当直でしょ。今日は早く寝なきゃいけないのに……」
「そんなこと気にしてる場合じゃないでしょ! とにかく今は詳しい事情は聞かないから、仕事が終わったらすぐに行くね。それまでどうか無事でいて」

 賢人がおそらく精神を病んで仕事に行けなくなったということは、彼のこの1か月ほどの振る舞いと今日の電話の様子からすぐに分かった。


 先月末から済生会如月病院の血液内科をローテーションし始めてから賢人はデートの時に仕事の話をしてくれなくなって、無意識にため息をついていることが多かった。

 救急ローテーションで指導医の先生に怒鳴られた後や看護師長さんに情報伝達のミスをなじられた後も同じような様子だったけど、その時はデートの終わり頃には既に立ち直っていた。


 だけど、最近の賢人はどこか様子がおかしかった。
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