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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第9章 第8話 こんなに晴れた素敵な日
「患者さんが白血病とか悪性リンパ腫でどんどん死ぬのが辛かったそうです。他にも再生不良性貧血で中絶した若い女性とか一日中病室で泣いてる高齢女性とか、大変な話を色々聞きました」
「日比谷先生はそういうの耐性ある方?」
「全然平気ですね。私、やっぱりどこか人格に問題があるんでしょうか?」
「そんなこと思っちゃ駄目だよ。僕に言わせれば彼氏さんはとても優しいし、日比谷先生はもっと優しい。優しいから患者さんに同情して泣くし、もっと優しいからその気持ちを神様の視点から見て冷静に判断できる。そもそも本当に人格に問題がある人は絶対にそれを自覚しないからね」
「先輩だったらどう思いますか?」
「あー、僕は白血病患者じゃなくてよかったなあって思う。自分がもし白血病って診断されたらスイスにでも行って安楽死するかな」
「死ぬのが怖いのか怖くないのかどっちなんですか?」
「僕はいつ死んでも後悔しないけど死ぬ瞬間までは楽しく生きたいんだよ。だから仕事終わりにはよくカラオケに行くし、映画だって深夜に一人で観に行く。そして親父からせびったお金で日比谷先生にいじめて貰う」
「今日は何をすれば?」

 先輩の自分語りをあえて無視しながら尋ねると、先輩はベッドサイドに置いていた大きなカバンの中から黒い縄状のものを取り出した。

 そして持ち手のついたそれをおずおずと私に差し出し、ベッドの上で仰々しく土下座をする。


「今日はこの|鞭《むち》で僕を叩いてください。本当に思う存分叩いてくれていいです、彼氏さんのことで感じてるストレスを全部僕にぶつけてください」
「変態」
「もっと言って」
「嫌です」

 短い単語だけで言葉を交わして、私は今の異常な状況になぜかおかしさを感じてふふっと笑った。

 こんな風に思わず笑うのは久しぶりだと感じて、真っ黒な鞭の持ち手を右手で握った。
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