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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第9章 第8話 こんなに晴れた素敵な日
「日比谷先生……君、こういうの才能あるよ。これほどとは予想外だった……」
「首絞められるのとどっちが気持ちいいですか?」
「そりゃ首絞めだよ」
「死ねっ!!」
「ほおおっ!!」

 あえて鞭をしならせて先輩の背中をぴしゃりと叩くと、先輩はこれまでにない強い反応を見せた。

 大声で笑いながら先輩を鞭で叩き続け、いつしか私の両目からは涙が溢れてきた。


「嶋田先輩、気持ちいいですかっ?」
「ああんっ!!」

 鞭でお尻を2連続で叩く。


「どうして私の人生って上手くいかないんでしょう?」
「んほおっ!!」

 鞭で先輩の背中を強く叩く。


「もっとお金があれば幸せになれるんでしょうか?」
「よおおっ!!」

 初めて先輩の後頭部も叩いてみる。


「死んじゃえっ!!」
「あはあっ!!」

 これまでで最強の力で先輩のお尻を叩いた。



 頭の中で気持ちが一杯になって、私は黒い鞭をベッドの上に取り落とした。


 そして広いベッドの上にぺたんと腰を下ろし、そのまま私は号泣した。


「うっ……うっ……ううぇええぇ……」
「はぁはぁ、どうしたの日比谷先生……もう5万円分は叩いて貰ったけどさ……」
「先輩……」
「……」

 ベッドの上でうずくまって私にお尻を向けたまま、先輩は私がひとしきり泣き終えるのを待っていた。

 私は誰かの前で思い切り泣きたかったのかも知れない。
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