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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第10章 第9話 最低の男
 人生の転機はいつ訪れるか分からない。


 賢人が休職してから1か月近くが経ち、彼が来週から消化器外科のローテーションで復職するというタイミングで私は賢人の下宿を訪れて彼に料理を作ってあげていた。

「ほら、綺麗にできたよ。ありあわせの材料で作ったからあまり豪華じゃなくてごめんね」
「そんなこと全然気にしなくていいよ、こんなふわふわのオムライスを彼女に作って貰えるなんて僕は幸せだ。いただきまーす」

 私が料理サイトの指南動画を見て練習したデミグラスオムライスを食卓にいる賢人に差し出すと賢人は私が隣の椅子に座るのも待たずにオムライスをスプーンで食べ始めて、私はよほどお腹が空いていたらしい賢人の姿を見てかわいいと思った。

 食卓といってもワンルームアパートの賢人の下宿にはノートパソコン置き場を兼ねた勉強机一つしかなくて、普段はあまり自炊していないという賢人の話を聞いた私は調理道具ごと彼の下宿に持参して料理を作った。

 外食にかかるお金を少しでも節約したいというのが正直な事情だったけど、ささやかな手料理で賢人が喜んでくれたことには私も素直に喜んでいた。


「最近は何か辛いことはなかった? 来週から消化器外科でちゃんと復職できそう?」
「うん、手術に出るのはちょっと不安だけど大学時代の部活の先輩がレジデントにいるからあんまりアウェイ感はないと思う。実はちょっと前に部活の同窓会にも行ってきたんだよ」
「へえー、山岳部の? それはまた楽しそう」

 湖南医科大学の学生だった頃の賢人は山岳部に所属していて、学生時代は長期休暇に部活仲間と登山に行った話を賢人からよく聞かされていた。

 近年の大学の医学部医学科では野球部やラグビー部のような集団球技の運動部や柔道部や剣道部のような武道系の運動部よりもスキー部やゴルフ部、自転車部といったレジャー系の運動部の人気が高い傾向にあり、賢人が所属していた山岳部もその一つだった。

 レジャー系の部活は部費が1年間で数十万円以上かかるのが当たり前なので貧乏な私にとっては元々選択肢になかったけど、医学生のみならず看護学生や他大学の学生とも合同で楽しく山に登るという登山部の活動は私もうらやましく思っていた。
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