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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第10章 第9話 最低の男
「何……してるの……?」
「頭のいい女医さんは見たら分かるでしょう、浮気いちゃらぶセックスですよ~。ね、館山先輩?」
「みっちゃん、こ、これはその……」

 今更何を言い訳しようというのか。

 この根性が軟弱な最低の男は、今この段階になって私に何を弁解しようというのか。


「ふざけないで……」
「や~ん、こんな所で暴力振るうなんてだめですよぉ、助けて館山先輩っ……!!」

 狭いワンルームをゆっくりと歩いてセミダブルベッドに近づくと、私は目の前にいる下劣な女の顔を握り拳で殴りつけた。

 ベッドから身を起こした状態で顔面を殴打された有村は上半身をワンルームの壁に叩きつけられ、その衝撃で開いた口内から鮮血がベッドの上に飛散した。


「死ねっ!!」
「あぐあっ!!」

 そして目の前で浮気相手が殴打されて怯えていた賢人の顔面に正面から拳を叩き込むと、私はワンルームの床に落としていたバッグを拾って昏倒している2人に背を向けた。


 あの狭苦しい住宅に足を踏み入れることは今後二度とないだろうと確信して、私は夜の如月の街を無言で歩き続けた。
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