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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第11章 第10話 私がこの世に生まれた理由

「あのさ、お母さん」
「何!? ほら早く携帯を貸して、今すぐ電話してあげるから!!」
「賢人の浮気相手、同じ職場の新人看護師だったよ」
「えっ……」
私が賢人の浮気相手の職業を告げた瞬間に、怒鳴り声を上げていた母の表情は凍りついた。
「それは、どういう意味……」
「どういうも何もないじゃん。お母さんがお父さんの奥さんにしたことが、そのまま私に返ってきたんだよ。私はお母さんの被害者だよ」
「なっ、何てこと言うの。私はそんな……」
「お母さんはお父さんに奥さんがいたのを知ってて関係を持ったよね。それで私がこの世に生まれたんだよね」
私がこの世に生まれた理由は親戚の間では公然の秘密になっていて、母が必死で隠しても私は小学校高学年の時には既に詳細を知っていた。
滋賀県内の公立病院で働く看護師だった母は同じ病院の勤務医だったお父さんと不倫をして、避妊に失敗したお父さんは母を妊娠させてしまった。
お父さんは多額の手切れ金を払って母との関係を断ち切り、そのまま転勤にかこつけて妊婦になった母の前から姿を消した。
私はお父さんの姿を写真でも見たことがないけど、ネットで定期的に名前を検索して今は近畿圏外の総合病院で外科の部長を務めていることを知っている。
だから母は私に教育虐待をしてでも医学部医学科に入学させようとしたし、私を男の医者と結婚させることに執着していた。
その結果が、今の私の無様な姿だ。
「何!? ほら早く携帯を貸して、今すぐ電話してあげるから!!」
「賢人の浮気相手、同じ職場の新人看護師だったよ」
「えっ……」
私が賢人の浮気相手の職業を告げた瞬間に、怒鳴り声を上げていた母の表情は凍りついた。
「それは、どういう意味……」
「どういうも何もないじゃん。お母さんがお父さんの奥さんにしたことが、そのまま私に返ってきたんだよ。私はお母さんの被害者だよ」
「なっ、何てこと言うの。私はそんな……」
「お母さんはお父さんに奥さんがいたのを知ってて関係を持ったよね。それで私がこの世に生まれたんだよね」
私がこの世に生まれた理由は親戚の間では公然の秘密になっていて、母が必死で隠しても私は小学校高学年の時には既に詳細を知っていた。
滋賀県内の公立病院で働く看護師だった母は同じ病院の勤務医だったお父さんと不倫をして、避妊に失敗したお父さんは母を妊娠させてしまった。
お父さんは多額の手切れ金を払って母との関係を断ち切り、そのまま転勤にかこつけて妊婦になった母の前から姿を消した。
私はお父さんの姿を写真でも見たことがないけど、ネットで定期的に名前を検索して今は近畿圏外の総合病院で外科の部長を務めていることを知っている。
だから母は私に教育虐待をしてでも医学部医学科に入学させようとしたし、私を男の医者と結婚させることに執着していた。
その結果が、今の私の無様な姿だ。

