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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第11章 第10話 私がこの世に生まれた理由

「あなた、実の親を侮辱して……謝りなさい、女手一つであなたを育てたこの私に謝りなさい!!」
「実の娘に侮辱されるようなことをしたのは誰?」
「うるさいっ!! いくら毎月仕送りをしてるからってお母さんに言っていいことと悪いことがあるわよ、どうしても謝らないって言うなら……」
「何!?」
「ひいっ!!」
足を引きずりながら必死で椅子から立ち上がった母に私は右腕を振り上げ、その行為に怯えた母は足を滑らせて地面に全身で転げ落ちた。
地面に倒れた母の細い身体を右足で踏むか蹴りつけるかしようとして、私はそこまでのことをしたら自分は犯罪者になるかも知れないと思って自分の右脚を制止した。
「お母さんなんて大嫌い!! 死んじゃえっ!!」
「み、光瑠……お母さんは……」
地面から起き上がれずに|呻《うめ》く母に振り返りもせず、私は再びバッグを手に取ると玄関で靴を履いて実家を飛び出した。
時刻は既に23時を回っていて、この時間にはもう電車は動いていない。
そして、この寂れた田舎町には夜中に時間を潰せるような店もない。
真っ暗な滋賀の夜道をさまよい歩きながら、私は自分がこのどうしようもない世界でこれ以上生きていく意味などあるのだろうかと思った。
「実の娘に侮辱されるようなことをしたのは誰?」
「うるさいっ!! いくら毎月仕送りをしてるからってお母さんに言っていいことと悪いことがあるわよ、どうしても謝らないって言うなら……」
「何!?」
「ひいっ!!」
足を引きずりながら必死で椅子から立ち上がった母に私は右腕を振り上げ、その行為に怯えた母は足を滑らせて地面に全身で転げ落ちた。
地面に倒れた母の細い身体を右足で踏むか蹴りつけるかしようとして、私はそこまでのことをしたら自分は犯罪者になるかも知れないと思って自分の右脚を制止した。
「お母さんなんて大嫌い!! 死んじゃえっ!!」
「み、光瑠……お母さんは……」
地面から起き上がれずに|呻《うめ》く母に振り返りもせず、私は再びバッグを手に取ると玄関で靴を履いて実家を飛び出した。
時刻は既に23時を回っていて、この時間にはもう電車は動いていない。
そして、この寂れた田舎町には夜中に時間を潰せるような店もない。
真っ暗な滋賀の夜道をさまよい歩きながら、私は自分がこのどうしようもない世界でこれ以上生きていく意味などあるのだろうかと思った。

