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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第12章 第11話 幸せの時間
 そして私は畿内医大病院から徒歩で15分ほどの町外れにあるマンションにたどり着き、階段で2階に上がった。

 202号室と表札に書かれた部屋のインターホンを鳴らすと、嶋田先輩は外出着姿でいきなり玄関のドアを開けた。


「やあ、どうもいらっしゃい。……とりあえず中入ります?」
「お願いします」

 先輩の家に入るところを目撃されたくないなどと考えている余裕は、今の私の脳内にはなかった。

 2日続けて着ることになった服のまま私は先輩の家に入り、初めて見た嶋田先輩の下宿は2LDKのファミリー向けマンションだった。


 先輩は目測で12帖ほどもあるリビングに私を通し、別の部屋からパイプ椅子を運んでくると私にとりあえず座るよう促した。

 高級そうな木製の椅子に座っている先輩と食卓のテーブルを挟んで向かい合い、先輩は何から話を切り出そうかと迷っている様子だった。


「あの……とりあえず今の日比谷先生がただならぬ状況にあることは雰囲気で分かりました。それは合ってるよね?」
「……」

 私は無言で頷いた。


「それって僕に責任があることなのかな? もしかして僕とこっそり会ってるのが彼氏さんにばれたとか?」
「それは100%ないとは言えませんけど……問題の本質ではないと思います。だって……」

 そこまで話して、私は自分自身が置かれた状況を初めて冷静に見つめ直した。


 賢人は私を裏切って職場の看護師と浮気していたけど、私が賢人を裏切ってパパ活をし始めたのはそれよりずっと前だ。

 しかも目の前にいる嶋田先輩とは脅迫された経緯があるとは言えこれまで一緒に2回ラブホテルに入って、セックスはしていないとはいえ同意の上で虐待という形式での性行為をしたこともある。


 それを賢人やあの女が知っていたかは分からないけど、先に相手を裏切ったのは私の方ではなかったか。


 仮に知っていたとしても私を問い詰めもせず浮気をしていい理由にはならないし、私がパパ活をしていたのは学生時代は生活費を稼ぐため、研修医になってからは母に毎月仕送りをしつつ賢人との交際費を確保するためだ。

 それはある意味で正論かも知れないけど、私は客観的に見て一方的に賢人を非難できる立場にあるのだろうか。
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