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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第12章 第11話 幸せの時間
 次から次に考えが頭の中に沸き上がってきて、私はパイプ椅子に座ったまま両目から涙を溢れ出させた。


「わわっ、日比谷先生! そんなに泣くなんて、よっぽど大変なことがあったんだね。何も分からないけど心中お察しします」
「先輩……」
「はい、どうぞ」
「殴っても、いいですか……?」
「……どうぞ」

 泣きじゃくりながらとんでもないことを尋ねた私に、嶋田先輩はたじろぎつつも観念した表情で頷いた。


 私はパイプ椅子からおもむろに立ち上がり、木製の椅子に座っている先輩に歩み寄るとそのまま右手で平手打ちを食らわせた。

 頬を強く叩かれた先輩はその勢いで椅子から床に転がり落ちて、私はそんな先輩の肥満したお腹を靴下を履いた右足で蹴りつけた。


「あはあっ!!」
「気持ちいいですか?」
「うん、すっごく! もっと蹴って! 踏んで!!」
「この変態っ!!」
「はああんっ!!」

 先輩の太った身体を何度も蹴りつけてはお腹を勢いよく踏み、私は狂気の笑顔を浮かべた。


「あははははは!! 先輩面白いっ!! 本当に気持ち悪いです、死んじゃえっ!!」
「ほおおんっ!! いいよ、いいよ日比谷先生!! その勢いだよぉ!! ああああああああああ!!」

 蹴りつけられる度に床を転がる先輩の巨大なお腹の上に馬乗りになると、私は久しぶりに先輩の太い首に両手を押し付けた。


 笑い声を上げながら先輩の首を絞め上げて、その快感で先輩は白目を剥いて歓声を上げる。

 このまま先輩を殺して自分も死のうかなと考えた瞬間、私は今自分がしていることがとてつもなく虚しいと気づいた。
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