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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第13章 エピローグ 世界はそれを愛と呼ぶ
 昼食を食べ終えた後は総合診療科の医局に戻って指導医の先生と患者さんの治療方針について作戦会議をして、それから昨日退院した患者さんの退院時サマリーを書いているとあっという間に夕方カンファレンスの時間は来た。

 5人いる1年目研修医に混じって私も2年目研修医として患者さんの病状について報告して、専攻医の先生は適宜それをフォローしてくれる。


 そして、今私が所属しているのとは別の班にはあの先輩がいる。


「なるほどねー。ところで嶋田君、山崎さんのご家族は山崎さんの意識状態についてはどう思ってるのかな?」
「はっ、はいっ、山崎さんの現在の反応は意識障害ではなく低活動性せん妄が原因と思われる旨は先週ICしております。ただ、ご家族がせん妄についてその場でスマホで調べて誤解されてしまう事態がありまして。やはり丁寧な説明が大事だなと思いました」
「はははは、それは嶋田君の感想だねえ。でもご家族も最後は理解してくれたみたいでよかったです」

 今年から診療班のリーダーに昇格した助教の澤田先生は入院患者さんの家族へのIC(病状説明)の状況について嶋田先輩に確認し、4月から総合診療科の専攻医になった嶋田先輩は若干焦りつつも澤田先生からの質問に答えていた。


 実家のお父さんから産婦人科のクリニックを継承することを要求されていた嶋田先輩はまず総合内科専門医資格を取得してから産婦人科医を目指すという戦略をお父さんに説明してどうにか了承を得られて、4月から念願だった総合診療科の専攻医になれたのだった。

 もし総合診療医として大学で出世できれば実家を継がなくても許されるかもと以前願望を話していた先輩に、私はそういうことを言う人に限って結局は実家を継ぐのではないかと率直に思った。
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