この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
コンビニバイトの男の子
第4章 食事会

(貴之さんは、伸ばした手を掴んでくれなかった。きっともう貴之さんには手を伸ばせない。貴之さんも、きっともう手を伸ばしてくれない。悠希くんは、伸ばさなくてもすぐ掴めるところに現れてくれた。ここで掴まなかったら、別の人を探しても、手を伸ばして届くところには誰も現れないかもしれない。もし誰かを掴めたとしても、その人が悠希くんのようにいい人とは限らない。だったら今、私、掴んでもいいかな)
ここ最近の萩子には、ずっと頭に残っている体験談がありました。既婚女性が、躰のパートナーを得て充実したセックスライフを謳歌していること記した投稿で、締めの文章がまるで自分を後押ししているように感じていたのです。
“常識なんて棄て去ろう!気楽な気持ちで充実したセックスライフを!”
萩子は、決めました。
「私も、気楽に考えていいよね」
「ん?萩子さん、なにか言いました?」
無意識に呟いた本音の言葉は、悠希にはっきりと聞かれなかったようで、安堵しました。
萩子には、悠希の求めに応じることを伝える前に、言わなければならないことがありました。
(今までの2回は、リコさんの代わりとしてだった。だから頼まれて仕方なくという言い訳ができた。けど、これは、私が私として悠希くんとすることになる。あの投稿した人達と同じ、本当の不倫をすることに・・・)
萩子は、頭を働かせて逃げ道を探します。
(素直に応じるのは、やっぱり貴之さんには悪いから、何か理由が欲しい。ずるいけど、言い訳する何かが・・・)
「ううん、なんでもない。あの、主人が・・・」
「あっ、そうでした。もうすぐ帰ってくる時間ですよね。ごめんなさい。衝動的になって、困らせてしまって・・・」
主人という言葉を聞き、悠希が慌てて背中に回した腕を解いて再び肩を掴み、萩子を押し離そうとします。
(離れたら、もう掴めない!)
萩子は、咄嗟に胸元に置いた手で悠希の服を掴んで、悠希を引き止めました。
「待って!違うの」
「萩子さん?」
「・・・私も嘘、ついてたの」
「えっ?」
突然の告白に悠希は困惑します。萩子は、悠希の胸に顔を埋めたまま話を続けました。
ここ最近の萩子には、ずっと頭に残っている体験談がありました。既婚女性が、躰のパートナーを得て充実したセックスライフを謳歌していること記した投稿で、締めの文章がまるで自分を後押ししているように感じていたのです。
“常識なんて棄て去ろう!気楽な気持ちで充実したセックスライフを!”
萩子は、決めました。
「私も、気楽に考えていいよね」
「ん?萩子さん、なにか言いました?」
無意識に呟いた本音の言葉は、悠希にはっきりと聞かれなかったようで、安堵しました。
萩子には、悠希の求めに応じることを伝える前に、言わなければならないことがありました。
(今までの2回は、リコさんの代わりとしてだった。だから頼まれて仕方なくという言い訳ができた。けど、これは、私が私として悠希くんとすることになる。あの投稿した人達と同じ、本当の不倫をすることに・・・)
萩子は、頭を働かせて逃げ道を探します。
(素直に応じるのは、やっぱり貴之さんには悪いから、何か理由が欲しい。ずるいけど、言い訳する何かが・・・)
「ううん、なんでもない。あの、主人が・・・」
「あっ、そうでした。もうすぐ帰ってくる時間ですよね。ごめんなさい。衝動的になって、困らせてしまって・・・」
主人という言葉を聞き、悠希が慌てて背中に回した腕を解いて再び肩を掴み、萩子を押し離そうとします。
(離れたら、もう掴めない!)
萩子は、咄嗟に胸元に置いた手で悠希の服を掴んで、悠希を引き止めました。
「待って!違うの」
「萩子さん?」
「・・・私も嘘、ついてたの」
「えっ?」
突然の告白に悠希は困惑します。萩子は、悠希の胸に顔を埋めたまま話を続けました。

