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コンビニバイトの男の子
第2章 落とし物
萩子がリビングに戻ると、先程と同じようにソファに座っていた悠希がいきなり謝りました。
「さっきは、声を荒げてしまってすみませんでした」
「あ、うん」
テーブルを見ると食べ掛けの焼き菓子は無くなり、ティーカップとお皿がテーブルの端に片付けられています。
(そういえば私、悠希くんをひとりにしてシャワーなんかしちゃってたんだ)
コンビニで親しく話をしていたとはいえ、友人でもない他人を無用心にもひとりきりにしていたことに気付きました。そのまま家を荒らされて立ち去られても仕方のない状況で、しかし彼はそうせず、片付けまでしてくれていたのでした。それだけで、彼の真面目さが伝わってきます。
(ほんとにいい子だなー)
そう思いながら、再び悠希の向かいに座り、手に持ったメガネをテーブルに置きます。
「あれ?萩子さん、眼鏡は?」
「伊達眼鏡で普段は外してるのよ。目は悪くないんだけど、これがちょっと気になってね」
そう言うと、左目の下にある大きめのホクロを指差しました。
「それって、たしか泣きボクロですよね。全然気になりませんよ。というか、眼鏡をしていないほうがもっと素敵です」
「もう、大人のからかうんじゃないの」
「すみません」
頭を下げる悠希を見ながら、萩子は意を決して言葉をかけます。
「ねえ、悠希くん。ひとつ、確認なんだけど」
「はい」
悠希が姿勢を正しました。
萩子の鼓動が速くなり、喉が渇きます。声が震えそうになるのを抑えて、尋ねます。
「えーっと、・・・アレ、持ってる?」
悠希はジーンズのポケットから、飾り気のない包みを取り出しました。
「持っています」
それを見て、萩子は決心しました。
(悠希くんは真面目に考えてるんだ。私も、その思いにちゃんと応えてあげよう)
大きく深呼吸すると、
「わかったわ。私でよければ」
と告げました。
「ほんとに?いいんですか?」
自分からお願いしながら驚いてそう訊く悠希に、萩子は思わず笑ってしまいます。でも、そのおかげで少し自然体に戻れた気がしました。
「お気に入りのハンカチ、洗って持ってきてくれてありがとう。お礼に1度だけ、悠希くんのお願い叶えてあげるわ。彼女とのいい思い出のために、予行練習として」
そして、照れ隠しにわざと年下の子に言い聞かせるように、
「さあ、シャワーにいってらっしゃい」
と言って、悠希をバスルームに送り出しました。
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