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第5章 誕生パーティー

「あっ、これお酒だった・・・」
「はははっ、やっぱり萩子さん、天然ですよ」
「そんなこと・・・」
萩子は、一気飲みで更に酔いが回ってきたことを自覚しました。
（何か言い返したいけど、頭がぼーっとしてうまく回らない。躰もふわふわしてる。気分はいいんだけど、これ、絶対に飲み過ぎよね）
空になった萩子のグラスに、悠希がお酒を注ぎます。萩子は飲み過ぎと判っていながら、慣れていない手付きで慎重に注いでくれている悠希を止めようとはせずに、ぼんやりとその様子を見つめました。
（危なっかしいのも、なんか可愛いのよね）
ペットボトルからミネラルウォーターを足して、グラスを萩子に差し出します。
「ありがとう」
「いえ。ごめんなさい、お酒ちょっと入れ過ぎたかもです」
「ふふっ、ここでも不器用さが出たわね」
「言わないでくださいよー。お酒多すぎですか？」
「しょうがないなー。まー、ゆっくり飲むからいいわよ」
悠希の申し訳無さそうな顔もまた可愛く感じ、許せてしまいます。
「よかった。それじゃ次の勝負、いきますよ」
「今度は勝って質問するから。最初はグー、じゃんけんポン！」
しかし、勝ったのはまたも悠希でした。
「また負けた。悠希くん、強すぎない？」
「いっぱい質問したいことがありますからね」
「いっぱいって、そんなに？」
「答えられなかったら負けです。罰として、一気飲みしてもらいますよ」
「えーっ、そんなゲームだった？」
「あれ？言ってませんでした？」
「聞いてないわよ」
「何の質問にしようかなー」
「もう・・・」
酔って正常な判断ができなくなっている萩子は、悠希が勝手に決めたルールにもかかわらず、従うしかないと思ってしまいます。悠希が考えている間、明らかに濃そうなグラスに視線を移しました。
（これを一気飲みなんて、できない・・・）
「次の質問、決まりました」
その言葉で視線を悠希に戻します。
（どんな質問をされても、答えるしかない・・・）
「ど、どうぞ」