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コンビニバイトの男の子
第5章 誕生パーティー
【6】
貴之が門柱の前に立ち、インターホンのボタンに指を伸ばす。そこで、玄関ドアの横にある明かり取り用のガラス窓から、室内が真っ暗であることに気が付いた。先月の同じ“接待”の日は、リビングの灯りが薄っすらと見えていたのを覚えている。
貴之がボタンを押すと呼び出す音がスピーカーから聞こえたが、暫く待っても中の様子に変化はなかった。
(この前よりも遅いから、シュウはもう寝ちゃっているのか・・・)
萩子が貴之の帰宅を待たずに就寝したことは、体調を崩したとき以外で記憶にない。
自ら鍵を開けて、玄関ホールに入った。室内はしんと静まり返っている。ガラス窓から射し込む門柱の照明で辺りがぼんやりと明るいのとは対照的に、廊下の奥は暗く、開け放たれていたリビングに続くドアの先は、やはり照明が点いていない。
貴之は徐々に暗くなる廊下を進み、キッチンに入るとシンクの上にあるダウンライトを点けた。
眩しさに目を細めながら鞄を床に置く。それは、まだ萩子と結婚する前、付き合い始めて最初のクリスマスのブレゼント交換で萩子から贈られたダレスバッグだった。以来今日まで愛用し続け、味わい深い色合いに変わってきている。
(シュウにブレゼントしたのは、財布だったな)
萩子も、大分くたびれてきたその財布を買い替えずに使い続けてくれていた。
貴之は冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターのペットボトルを取り出そうとした。
(あれ?ない?)
いつもは萩子が必ず入れておいてくれるペットボトルが、入っていなかった。
仕方なく食器棚からコップを取り出し、浄水器の水を注いで飲みながらゴミ箱に視線を向ける。するとその横に、お酒の瓶と空になったペットボトルが数本置かれているのが目に入った。
(なるほど、ミネラルウォーターはこれに使っていたのか。・・・この瓶は、シュウが好きなお酒だ)
ゴミ箱を再度見た後に、ガスコンロの方に移動する。嗅覚が敏感な貴之は、揚げ物をした油の匂いを嗅ぎ分けた。
(女子会のごちそうに揚げ物を作ったんだ。最近、食べてないな)
ふと思い立ち、ビルトインの食器洗浄機の扉を引いた。洗浄は終わっていたが直前まで動作をしていたようで、もわっとした熱気が溢れ出てくる。中の食器はそれほど多くはなかった。
(そういえば、女子会に何人来るかは訊いてなかったな)
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