この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
コンビニバイトの男の子
第4章 食事会

【2】
・・・
午後のお茶の時間に使った食器の片付けを終えた萩子は、ソファにもたれた。先日買ってきた料理雑誌を手に取りぱらぱらとページを捲るが、すぐにその動作が止まる。視線を、リビング隅にある本棚に移す。
『せっかく買ったしね』
いつもの自分に言い聞かせるような独り言を言って雑誌をテーブルに戻すと、立ち上がり本棚に向かった。古い料理関係の本を保管している抽斗から雑誌を取り出す。それは、買ってきた日に熱心に読んだ後で隠していた女性誌だった。
ダイニングテーブルの椅子に座って雑誌を開くと、目当ての記事を探し出して読み始めた。時折驚いたような仕草をして、前のページに戻ったりしながらかなり熱心に読み耽っている。
暫くすると、掛け時計の秒針とページを捲る音だけが聞こえていた室内に、萩子の息遣いが混じってきた。
『ふぅ、はぁ』
時折、気持ちを落ち着かせるような深呼吸もしている。
外から“夕焼けチャイム”が聞こえてきた。
はっとした萩子が、顔を上げる。
『もう、そんな時間?』
そう呟くと名残惜しそうに雑誌を閉じた。夕方の家事の時間であるが、今日の萩子はなかなか席を立とうとせず、表紙を見続けている。
漸く重い腰を上げて女性誌を元の抽斗に戻すと、キッチンには向かわずにリビングを出ていった。
・・・
午後のお茶の時間に使った食器の片付けを終えた萩子は、ソファにもたれた。先日買ってきた料理雑誌を手に取りぱらぱらとページを捲るが、すぐにその動作が止まる。視線を、リビング隅にある本棚に移す。
『せっかく買ったしね』
いつもの自分に言い聞かせるような独り言を言って雑誌をテーブルに戻すと、立ち上がり本棚に向かった。古い料理関係の本を保管している抽斗から雑誌を取り出す。それは、買ってきた日に熱心に読んだ後で隠していた女性誌だった。
ダイニングテーブルの椅子に座って雑誌を開くと、目当ての記事を探し出して読み始めた。時折驚いたような仕草をして、前のページに戻ったりしながらかなり熱心に読み耽っている。
暫くすると、掛け時計の秒針とページを捲る音だけが聞こえていた室内に、萩子の息遣いが混じってきた。
『ふぅ、はぁ』
時折、気持ちを落ち着かせるような深呼吸もしている。
外から“夕焼けチャイム”が聞こえてきた。
はっとした萩子が、顔を上げる。
『もう、そんな時間?』
そう呟くと名残惜しそうに雑誌を閉じた。夕方の家事の時間であるが、今日の萩子はなかなか席を立とうとせず、表紙を見続けている。
漸く重い腰を上げて女性誌を元の抽斗に戻すと、キッチンには向かわずにリビングを出ていった。

