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コンビニバイトの男の子
第4章 食事会

「えー、いつもそんなご飯なの?」
「たまに自分でおかず作ったりしますけど、料理苦手で」
萩子は悠希を見上げて笑顔を見せると、からかうように返します。
「そういえば、手先不器用だったわねー。レジのお釣りで・・・」
「もうそれは勘弁してくださいよー」
悠希は苦笑いしました。
以前、レジで悠希が萩子にお釣りを手渡すときに小銭を派手にばら撒いてしまったことがあり、一時期雑談で由絵からことあるごとにいじられていたのでした。
(あの時の原因、実は私なんだけどね)
それは、お金を崩す必要があった萩子が、いつもの電子マネーではなく現金で支払った時のことで、お釣りを受け取る際に悠希の手が触れ、びっくりした萩子が思わず手を引いてしまったからでした。
そのことを一言も言わず、すみませんと何度も謝りながら小銭を集める姿に申し訳なさを感じるとともに、益々好感度が上がったのでした。思い返すと、その出来事が切っ掛けでコンビニに通う頻度が増え、悠希と話をするのを楽しむようになっていったのでした。
「ごめん、ごめん。そっかー、料理苦手なんだー」
「はい・・・」
それまで横を行き交っていた車が途切れ、一瞬静寂がふたりを包みます。後手に組んだ萩子の動きに合わせて、コンビニの袋がシャラシャラと音を立てます。
萩子は悠希から視線を外し、照れくさそうに問い掛けました。
「よかったら・・・私の家で、ご飯食べてく?」
「え?えぇ!?」
「ほ、ほら。途中まで送るって言ったけど、お昼食べてないんじゃ、帰ってから気分が悪くなるかもしれないし。そんな夕食っていうのも心配だし・・・。あ、それに、由絵さんもあの場では言わなかったけど、そこまで託してお願いされたかもしれないから・・・」
驚く悠希に早口で言葉を返しますが、段々と食事に誘う口実を並べ立てている気がしてきて、尻すぼみになってしまいました。
そんな萩子の心境を知らずに、悠希は嬉しそうな顔になります。
「萩子さん、いいんですか?うわぁー、ありがとうございます!本当はお湯沸かしたりするのも億劫だなって思ってたので、助かります」
屈託のない笑顔を眩しく感じ、萩子がくるりと向きを変えました。その動きに遅れて、フレアスカートがふわりと広がります。
今度は萩子が先頭に立って歩き出しました。
「たまに自分でおかず作ったりしますけど、料理苦手で」
萩子は悠希を見上げて笑顔を見せると、からかうように返します。
「そういえば、手先不器用だったわねー。レジのお釣りで・・・」
「もうそれは勘弁してくださいよー」
悠希は苦笑いしました。
以前、レジで悠希が萩子にお釣りを手渡すときに小銭を派手にばら撒いてしまったことがあり、一時期雑談で由絵からことあるごとにいじられていたのでした。
(あの時の原因、実は私なんだけどね)
それは、お金を崩す必要があった萩子が、いつもの電子マネーではなく現金で支払った時のことで、お釣りを受け取る際に悠希の手が触れ、びっくりした萩子が思わず手を引いてしまったからでした。
そのことを一言も言わず、すみませんと何度も謝りながら小銭を集める姿に申し訳なさを感じるとともに、益々好感度が上がったのでした。思い返すと、その出来事が切っ掛けでコンビニに通う頻度が増え、悠希と話をするのを楽しむようになっていったのでした。
「ごめん、ごめん。そっかー、料理苦手なんだー」
「はい・・・」
それまで横を行き交っていた車が途切れ、一瞬静寂がふたりを包みます。後手に組んだ萩子の動きに合わせて、コンビニの袋がシャラシャラと音を立てます。
萩子は悠希から視線を外し、照れくさそうに問い掛けました。
「よかったら・・・私の家で、ご飯食べてく?」
「え?えぇ!?」
「ほ、ほら。途中まで送るって言ったけど、お昼食べてないんじゃ、帰ってから気分が悪くなるかもしれないし。そんな夕食っていうのも心配だし・・・。あ、それに、由絵さんもあの場では言わなかったけど、そこまで託してお願いされたかもしれないから・・・」
驚く悠希に早口で言葉を返しますが、段々と食事に誘う口実を並べ立てている気がしてきて、尻すぼみになってしまいました。
そんな萩子の心境を知らずに、悠希は嬉しそうな顔になります。
「萩子さん、いいんですか?うわぁー、ありがとうございます!本当はお湯沸かしたりするのも億劫だなって思ってたので、助かります」
屈託のない笑顔を眩しく感じ、萩子がくるりと向きを変えました。その動きに遅れて、フレアスカートがふわりと広がります。
今度は萩子が先頭に立って歩き出しました。

