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女旅芸人衆の淫ら旅
第6章 お瞭の縁談
「もしかして、まだどこか痛むのですか?」

良案は他にも体の不調があるのなら申し出てほしいと訊ねた。

「いえ、いたって体は健康でございます
実は折り入って父上と先生さまにお話がございます」

そう言って順之助は、意を決したように良案の隣に座るお瞭を見つめた。

「ほう…私と先生さまに話があると?
さて、何事かな?勿体ぶらずに話してみよ」

地頭は順之助の口が開くのを催促した。

「実は…私はそこに座っているお瞭を嫁に娶(めと)りたいのです」

そう言われてお瞭が驚いた表情を見せた。
まさか、本当に求愛されるとは思っても見なかった。
嫁にしたいと言うのは寝床で体を重ねているときの欲情を囃し立てる戯言だと思っていたからだ。

「嫁に?」
「婚姻するというのか?」

良案と地頭はそれぞれに驚きの声を上げた。

このような立派な家系に嫁入りするのは大層誇らしい事だ。
これが単なる知り合いのおなご(女)であれば良案とて飛び上がらんばかりに賛成するところだが、日の本に蘭方医療を押し広める大義があるゆえ、看護婦としてのお瞭を手離すわけにはいかなかった。

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