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女旅芸人衆の淫ら旅
第7章 出雲へ

「そうさねえ…お加代はあそこでオヤジさんと暮らすのが一番さ。
変に顔を出して皆が別れを辛くなるだけだろ?」

なぁに、心配いらないさ、あのオヤジならお加代を幸せにしてくれるさ、それがあの子には一番さ。

そう言う座長のお絹の顔をみて、もしかしたら身寄りのないこの子達の里親探しがこの一座を旗揚げした本来の目的ではなかろうかと思った。

このように見受け先が見つかれば、一人、二人と、今までも座員が抜けていったのであろうか、残りの座員からは「お加代ちゃんを迎えに行かないのかえ」という声はあがらなかった。

「では、次はどこに行かれますか?」

「お彼岸も近いことだし、出雲へ行こうかと思っているんだけどさ…」

延岡の地頭から小倅が理不尽な事を言い出したお詫びとして、たんと金須(お手当て)をいただいたので、美々津港から出雲まで船旅と洒落こもうと思っているんだよと教えてくれた。

「出雲ですか…彼岸とどのような関係が?」

「あたしゃね、元々は出雲の出なんだよ
墓も松江にあるもんだから彼岸だから墓参りでもと考えているんだよ」

「へえ~、出雲出身ですか…」

「おや?乗り気じゃないねえ」

「船旅ってのがね…」

長崎の出島から薩摩までの距離であれほど船酔いしたものだから、良案はすっかり船旅が嫌いになっていた。
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