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女旅芸人衆の淫ら旅
第7章 出雲へ

「死にはしませんよ。ただ、水だけはしっかり飲ませておかないと」

お瞭さんが薩摩に向かった船の中でしたように、竹筒の水筒から水を口に含むと、あの時と同じように口移しで水を飲ませる。

きゃあ~!そういうの私もしたい!

座員の女の子たちは、こぞって自分の水筒から水を口に含んで、お瞭さんがしたように順番に良案に口移しで水を飲ませようとする。

「おいおい、いくら水分補給が大事と言ったって、そうそう大量に飲めるもんじゃないよ」

そう言いながらも若いおなご(女)からの口移しの接吻で、船酔いで苦しいはずなのに、良案はニンマリした。

そうこうするうちに、けたたましい銅鑼の音が鳴り響く。
松江の漁港が近づいた知らせだった。

「ほら。先生さま、シャキッとなんなさいよ、待望の陸地だよ」

身支度をしながら自分の事は自分でしなよと、お絹が良案の尻を叩いた。

やがて船が港に着き、一行が船を降り立つと、心なしか空気がひんやりしていて、一同は「わあ~、寒いわね」と襟元をしっかりと合わせたのに対して、良案は肌寒い空気が心地よくて胸元を開いて冷たい空気をパタパタと取り込んだ。

船を降りても、何だか地面が揺れているようで、良案の歩き方はまるで酔っぱらいのようにフラフラしていた。

「船酔いとはよく言ったものだねえ、まるで本物の酔っぱらいのようだよ」

座長のお絹がそう言うと、本当ねとお瞭さんも久方ぶりに心の底から笑った。
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