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女旅芸人衆の淫ら旅
第7章 出雲へ

「これから、どっちに向かいます?」

土地勘がないものだから
一座のおなご(女)たちは物珍しそうにキョロキョロしている。

「言ったろ、彼岸が近いので墓参りをするって」

座長のお絹さんにとっては、産まれ育った土地だけに、目を瞑っていても墓地に行けるさと、船旅の疲れも見せずにスタスタと歩き始める。
大八車を押す一行も慌ててお絹の後を追いかけた。

墓地に行く途中に茶店があったので、お絹さんは一座のおなご(女)たちに「皆はここで待っていておくれ、墓地は皆で行って騒げるところじゃないからね」そう言うと、店のオヤジに名物のしじみ汁をこの子らに飲ませてあげてくれませんかねえと注文してくれた。

そんなに高価な汁ではないにせよ、人数分となるとけっこうな金額になる。こりゃあ、延岡の地頭から相当な金額を手にいれたなと思わず想像してしまった。

「しじみ汁は二日酔いに効くそうよ」

お瞭さんが大きな声で言うものだから「そうそう、二日酔いにはね、しじみが一番さ」と茶屋のオヤジが気を利かせて、たっぷりのしじみを良案のお椀に入れてくれた。

「私は船酔いであって、酒を飲んで二日酔いになってるわけではないぞ」

「似たようなものじゃない、何にしても、それを飲んでシャキッとしてくださいましな」

そんな二人のやり取りを聞いていた先客が、奥の間から顔を出して「仲の良いご夫婦でございますね」と声をかけてきた。
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