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女旅芸人衆の淫ら旅
第3章 延岡へ
しかし、山を降りても街道が延々と続くだけで家屋などありはしない。
一行に疲れの色が見え始めた。
何よりも、運動が苦手な良案の膝は限界を超え、ガクガクしていた。
「座長!あそこに小屋があるよ!」
先頭を歩いていたお玉が喜び勇んで座長のお絹に声をかけた。
確かに小さいながらも茶屋の暖簾が風にはためいていた。
茶屋とはおあつらえ向きだった。
ちょうど腹が減って死にそうだった。
茶屋に辿り着くと、我先にと子供たちは毛氈(もうせん)の敷かれている座卓に腰を降ろした。
「へい、いらっしゃいませ!」
「親父さん、店じまいの支度をしているところを申し訳ないけど、この子たちに握り飯を食わせてやってくれないかえ?」
「握り飯ですか?
それよりもご当地自慢の鶏鍋はどうでしょうか?」
「いらないよ、贅沢を覚えさせるとろくなことがないんでね
握り飯だけでいいよ」
しけた客だなと思いながらも、
店主は握り飯を用意してくれた。
「寒くなってきたろ?さあ、味噌汁も飲みなさい
これは私からの善意だ、金はいらないから温まりなさい」
娘たちは我先にと味噌汁と握り飯を喉に流し込んだ。

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