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女旅芸人衆の淫ら旅
第3章 延岡へ
怪我人と聞いては医者として放っておくわけにはいかぬと、
良案とお瞭は二人してずかずかと家屋の中に入り込んだ。
「これ!無礼ですわよ」と
お絹も慌てて二人の後を追いかける。
「怪我人はどこだ?」
良案は、一人の奉公人をつかまえて、無理やり怪我人のもとへと案内させる。
それを見てお絹はヒヤヒヤした。
無断で屋敷に入り込んで、不届き者として番所(交番)に突き出されては話がややこしくなると危惧した。
しかし、屋敷ではそれどころではなかった。
怪我人は当家の一人息子で、血気盛んな年頃ゆえに、真剣で友人と打ち合い、肩に深手の傷をおっていた。
「ごめん!私は医者だ!傷を見せてみよ!」
寝間に走り込んできた良案たちを咎める暇を与えぬほど、
良案は布団を捲って傷の具合を確かめた。
「お前たちは一体何者だ!」
寝間に入り込んできた良案に驚きながらも、
良案たちに盗人の一団かと怪しんだ当主の伴内は床の間の真剣に手を伸ばした。
「案ずるな、私は医者だ、傷の手当てをしに来た」
「医者にはもう診てもらった」
当主の言うとおり、怪我人は包帯で肩をしっかりと縛ってあった。

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