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女旅芸人衆の淫ら旅
第3章 延岡へ

傷口にメスを入れると、流れ出たのは鮮血ではなくて、どす黒い膿(うみ)であった。

「これ!もっと体を押さえつけろ!!」

あまりにも気持ち悪い光景に、地頭の従者たちは目を瞑(つむ)って必死に押さえつける。

傷口を搾るようにして膿(うみ)を出しきると、
ウォッカなる酒で傷口を洗い流して、今度は針と糸を手にしたものだから一同は何が始まるのだと目を白黒させた。

「ではこれから縫合を始める」

良案の言葉に、お瞭は手鏡を持って傷口に明かりを集める。

人体を着物でも縫うように針を刺してゆく光景に、地頭は「やめろ!やめてくれ!!」と良案に飛びかかろうとする。
それをお絹が「蘭方の医術を信じましょ!」と地頭に抱きついて制してくれた。

縫い終わる頃には倅も激痛に気絶しておとなしくなっていた。

「よし、これでもう大丈夫だ」

真新しい包帯で縫合した傷口をしっかりと縛り付けた。

「夜中にもう一度包帯を巻き直してあげなさい」と良案はお瞭に命じた。
「わかりました。では、私が責任をもって看病させていただきます」お瞭は任してくれと胸を張った。
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