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女旅芸人衆の淫ら旅
第3章 延岡へ

最初は苦痛に満ちていた眠り顔が、少しずつ落ち着いて穏やかになっていくのを地頭はまざまざと見せつけられて驚いた。

「さあ、怪我人をゆっくりと休ませてあげよう」

良案の言葉をきっかけに
地頭の倅(せがれ)の面倒をお瞭に任せて、一向は居間に移動して先程までの喧騒が嘘のように落ち着いて茶をすすった。

「あなた様はもしかして名のあるお医者様なのかえ?」

落ち着きを取り戻した地頭は頭を下げて倅(せがれ)の手当てをしてくれた良案に礼をのべた。

「いえいえ、まだまだ駆け出しの蘭方医にございます」

「謙遜されなくてもよい、手際の良さに私ども一同驚いておるのだ。
さて、治療費の事だが…いかほどお支払すればよろしいかな?」

「治療費は結構です。その代わりと言っては何ですが、
この者たちは旅の芸人一座なのです。
よろしければ、この辺りで一番の空き地で興行するお許しをお願いしたいのですが…」

その言葉を聞いたお絹は驚いて「いいのかい?せっかく治療費を申し出てくれているのにさ」と金銭もいただいてはどうかと呟いた。
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