パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第3章 BLACKMAIL

「彩芽さんは小説と言ったよね…？どんなストーリーにしたい…？プロットと言えば分かる…？」

田所は彼女が冷静になるよう、自身も冷静に質問した。

彩芽は大きく頷いた。

「たとえ学生時代であっても…永遠の愛を心で誓い合った…昔の恋人が他界して…娘が男の前に現れる…娘はなぜ二人が深く心を通わせることができたのか…なぜ母親が男に陶酔してしまったのか…なぜ二人が別れることになったのか…」

彩芽はテーブルのどこか一点を漠然と見つめ、声に抑揚を付けず、涙を流し、淡々と言葉を発していた。

田所は彩芽が誰かに指示されて、この言葉を発しているとは思えなかった。彼女の言葉は自然であったし、心の中で思っていたことを口から吐き出す、そんな口調だった。

「娘が追体験して…男から事実を引き出し…その内容を世間の人に読んでもらうんです…相手は影響力がある人だから…世間はその人の持つ…隠された顏に驚くはずだから…」

田所は彩芽の言葉を聞き、大きく息を吐き、胸を撫で下ろしていた。

「彩芽さん…世間はそれを小説と認識するだろう…」

男は作家歴が長く、彩芽よりキャリアを積んだ先輩として、彼の結論を伝えた。